タイ チェンマイ 第二回日本の歌メモリアルコンサート〜タイビルマ戦病歿者追悼の碑に捧ぐ〜

平成20年6月14日


 チェンマイ市内のAUAオーディトリアムにて、第二回日本の歌メモリアルコンサートを開催しました。

 〜タイビルマ戦病歿者追悼の碑に捧ぐ〜と銘打ってあるとおり、前日訪問し、文化交流の公演と、追悼慰霊をさせてもらった、バーンガート中高学校で里親制度などを運営されている、慧燈財団へのチャリティー・コンサートです。

 壁の題字は、チェンマイ在住の書家、栄処先生からいただきました。


 慧燈財団の事務局長である小西氏より、コンサートの準備の段階からあらゆる面でご助力をいただきました。チェンマイの日本語フリーペーパー、「ちゃ〜お」に木村天山を紹介する記事を寄せて下さったり、このコンサートの告知をして下さったりと、忙しい中、たいへん心を砕いて下さいました。

 このコンサートは小西氏なくしてはありえませんでした。タイ在住の小西さんへ、遠い日本から感謝の気持ちを伝えたいです。


 小西氏より開会の挨拶、また慧燈財団の活動についてかいつまんで説明をいただきました。同時に、木村の挨拶をタイ語に訳していただきました。

 今回は日本人のお客さんはもとより、タイ人のお客さんや、またイギリス、アメリカからのお客さんもききにきていいただきました。国際色豊かなチェンマイならではの客層です。


 日本から用意してきた、辻友子、辻あやかのピアノ伴奏にのせて、雨降りお月さんや赤い靴などの童謡、蘇州夜曲などの歌謡曲を、木村天山が歌いました。

 異国できく日本の歌は、郷愁をさそい、たいへん心に染み入ったと、終演後に、日本人のお客さんから言われました。

 チェンマイは忙しい日本の都会とは違い、ゆったりとした時間が流れているので、日本の歌を深く味わうにはよい環境なのかもしれません。

 さいきんはタイ人の間で日本語熱がじょじょに高まっているらしく、日本の歌をきくことで、日本に興味を持ってもらう端緒となれば、それ以上ありがたいことはありません。

 日本語という母語を大事にし、また外国の方にもその良さを知ってもらう機会に、このコンサートがなっていけば、嬉しい限りです。


 オーストラリアの先住民、アボリジニの楽器、ディジュリドゥも演奏しました。チェンマイでこの楽器が舞台にあがるのは、おそらくはじめてではないでしょうか。

 小西氏がオーストラリアで親しんだというこの楽器、まだまだ人の目に触れることは少ないですが、アボリジニの先住権を主張するために伝統文化をわかりやすく外部に向けて表現しなければならない時勢でもあるので、もっとたくさんの人の目に触れる機会が増えるでしょう。

 ディジュリドゥはメロディーにあたるものが抑えられた楽器ですが、その分自由で、のびのびと自分を表すことができると思います。コンサートの二週間後、テラの会で、日本軍の空爆を受けたアボリジニへの慰霊に出かける予定が決定していたので、そのことも紹介しながら、タイと日本とオーストラリア、とくにアボリジニとの輝ける未来に思いをはせました。


 全てのプログラムが終了し、施設の使用終了時刻が近づいていたので、アンコールを辞退して、幕を早々に閉じさせていただきました。

 二回目はある程度気も楽に持て、楽しいコンサートになりました。

 イギリスとアメリカ出身のお客さんが、偶然同じシャツを着ていたので、写真を撮らせてもらいました。半世紀以上前は敵同士でしたが、いまは芸能を通じて交流できるほどになりました。そんな平和の礎になって散ったタイ・ビルマ方面の兵隊さんたちのことを、私たちは忘れず伝えていかなくてはなりません。


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文章・画像はテラの会に属します