木村天山旅日記

  ラオス・ルアンパバーン
  
平成21年6月 

 

第3話

夜、七時を過ぎた。

私は、食事をするために、ゲストハウスを出た。

 

さて、どこにするか。

今までとは、別の方向に歩いた。

 

街の西側である。

少し歩くと、レストランがあった。

中を覗いた。誰も、いない。

客のいないレストランは、美味しくないのである。が、しかし、引き付けられるように、中に入った。

 

だが、屋内ではなく、屋外のテーブルについた。

誰も、来ない。

しばらく、待った。

 

ようやく、男の子、ボーイが出て来た。

そして、その後から、ウエイトレスが、メニューを持って来た。

 

ラオス語と、英語である。

 

金額も、キップである。

実は、キップに両替をしていなかった。

ただ、水を買ったときに、ドルで、支払い、そのお釣りを、キップで、貰っていた。

 

買い物は、ドルが使えるが、割高になる。

例えば、三万キップが、3,5ドルであると、4ドルとなる。

5ドル紙幣を出すと、一ドル分が、キップとなり、お釣りである。

その、お釣りも、割高である。

 

長期滞在しなくても、キップに両替すべきだと、思った。

 

そのレストランは、ドル払いもオッケーであることを、私は、確認した。

 

ラオス料理のセットメニューを注文した。

そして、追加で、フライドポテトである。

 

私のテーブルに、準備をする、ボーイと、言葉を交わした。

英語である。

あまり、英語が出来ないボーイだった。私と、同じ程度である。

 

だから、なおさら、よい。

どこから来たの

街の北の山間部から、出て来たである。

 

家族は、皆、そこで暮らし、彼は一人で、ルアンパバーンにいる。

 

そのうちに、二人のボーイが、出て来た。

そして、客待ちの準備をする。

 

三人のボーイと、話すことになった。

客は、私一人である。

 

せっかくだからと、ラオスの缶ビールを頼んだ。

それを飲みつつ、三人と、話した。

一人のボーイが、実に見事な英語を話した。

独学である。

 

料理が運ばれて来た。

予想以上に、量が多い。

英語の堪能なボーイが、ひとつひとつの料理を説明する。

 

もち米だけは、タイと同じだった。他の料理は、すべて、揚げ物である。

海苔の揚げ物もあった。

 

それを食べつつ、彼らと、話した。

実は、明日のガイド役を、私は、探していた。

 

トゥクトゥクを二時間借りるのは、いくら

一番、背の低いボーイが、20ドルと、言う。

すると、英語の堪能なボーイが、バイクを持っている。それなら、10ドルでいいと、言う。

 

そこで、私は、何をしたいのか、言った。

私は、観光するのではなく、子供たちに、衣服を持ってきたので、それを、渡したい。

ガイドをしてくれないか

 

荷物が多いので、バイクでは、無理なので、トゥクトゥクを借りたい

 

どう、いくらでしてくれる

 

英語の堪能なボーイが、トゥクトゥク料金を含めて、30ドルと言う。

 

30ドル

高いなーーーー

 

通じたのか、よし、20ドルでいいと、答えた。

 

明日の朝、10時から、二時間ということで、話がついた。

 

英語の堪能なボーイの、名前は、ニッツという。

 

本当は、最初の、あまり英語が出来ないボーイの方が、よかったのである。

それは、互いに英語が通じるからである。

 

しかし、積極的な、ニッツに決まった。

 

その時、イギリス人が、予約にやって来た。

12名で来るという。

 

三人のボーイは、急いで、テーブルを付け合せて、用意をはじめた。

 

私は、それを、眺めつつ、食事をしたが、半分も、食べられなかった。

それは、ビールのせいである。コップいっぱいのビールが、腹を満たした。

 

大半を残して、テイクアウトにして貰った。

支払い総額は、10ドルである。

凄い、高い夕食だった。もちろん、それ一度きりである。

ニッツと、朝10時ということを再度、確認し、私は、ゲストハウスに戻った。