チェンマイでの、すべての予定を終えた、最終日は、お休みである。
一日、皆が、チェンマイの街を楽しむ日にした。
そこで、私は、市場行きを提案した。
様々な、市場があるが、私が前に一度、出かけた市場にした。
そこで、買い物をして、昼の食事をする、予定である。
ソンテウという、乗り合いの、バスに乗り、出かけた。
丁度、そのソンテウが、目指す市場に行くというので、助かった。
一人、40バーツ、120円である。
市場に到着した。
人で、溢れかえっている。
活気に溢れている。
私たちは、まず買い物をした。
私と、辻さんは、線香と、ローソクを目指していた。
千葉君は、香辛料である。
市場は、何でも揃っている。
さっさと、必要な買い物をして、さて、どこで食事にしょうかと、思った。
後で、市場から出て、その付近の店に入り、食事をしていれば、良かったと、思ったが、後の祭りである。
私たちは、というより、私は、皆のために・・・
これが、曲者。
皆のために、市場の地下の、大食堂に入った。
そこは、周囲に、店が並んで、そこで、買って、中央に置かれたテーブルで、食べる。
私たちは、一つの店で、ソーメンに似た麺に、好きな、具材を乗せて食べるという、何と言うか、解らない物を、食べることにした。
そして、私が一番先に、食べ始めた。
一つのテーブルを使用する。
私が食べていると、皆も、テーブルについて、食べ始める。
物を食べるというのは、気が食べることに、集中する。
さて、私は、それを、食べ終えて、チキンを食べたくなり、他の店を、覗いて歩いた。
その時、すでに、私の肩掛けバッグから、財布が、抜き取られていることを、知らない。
すべての店を、見回り、もう一度、ある店に、戻って、チャーシュー入りの、ラーメンを注文することにした。
その時である。
お金を出そうとした。
あれっ、無い。
財布が無い。
即座に、皆のテーブル行き、スタッフに、財布が無いと、言った。
それからである。
皆も、今の物を注文して、別の具材で、食べ始めていた。
ところが、私の声に、中断。
更に、市場の人たちも、集まってきた。
その中に、犯人もいるのである。
丁度、私が、歩いている時は、お客の少ない時であり、スリがいるような、状態ではなかった。
市場関係者の方が、多かった。
実は、財布には、タイバーツに交換した、紙幣、日本円にして、15万円程度あった。
これは、今までには、無い、金額である。
いつも、そんなに、両替しない。
今回は、二人の同行者を連れているために、多くの両替をしていた。
もしもの場合を想定してである。
大金であった。
そんな、額を持ち歩く方が、間違っていると、言われても、しょうがないこと。
食堂内を、くまなく、探してみる。
ある訳が無い。
市場の関係者が、盗んだのであるから。
ついに、市場の事務所へ行くことに。
だが、どうしょうもない。
外に出て、ツーリストポリスに向かうことにした。
だが、中々な、ソンテウの運転手が、理解しない。
ツーリストポリスなるものを、知らない。
しょうがないから、ポリスである。
そして、旧市街地のある、警察署に、向かった。
それは、ホテルに近い。
その間に、小西さんに、電話をする。
事情を話して、複雑なことになったら、小西さんに、来てもらうことにした。
それから、半日、私たちは、警察署で、過ごすことになる。
普通の警察と、ツーリストポリスを、巻き込んでの、一大事になった。
私と、スタッフは、警察官と、再び、市場に行き、現場検証することになる。
そして、結局、小西さんに来ていただき、そこで、調書を作って貰うことにした。
すべてが、終わって、夕方である。
皆、疲れきった。
本当であれば、買い物、食事をして、ホテルに戻り、それぞれ、タイマッサージなどを、楽しみと、私は、考えていた。
大金は、実に、惜しいが、それを、いつまでも、拘っては、いられない。
ちなみに、私は、市場の、食堂で、祝詞を唱えて、清め祓いを、行った。
勿論、皆の見ている前である。
奇妙なことをすると、現地の人は、思ったであろう。
私が、そんなことに、遭うことはなかった。
決して、そのように状態に陥ることはなかった。
何故、今回に限り、それも、大金を取られることになったのか。
魔としか、言いようが無い。
ゆえに、清め祓いである。
あの大金は、タイの人が、有に一年間、生活していかれる、金額である。
何せ、普通の人の給料が、一万円程度である。
コンサート会場の、支払いのお金も入っていたのである。
少しの注意をしていれば、それだけの、大金を持ち歩かない。
心に隙があったと、言われれば、それまでである。
更に、残念なことは、好きな街、チェンマイで、そういうことが、起きたということである。
実に、複雑な思いがした。
悔やんでも、悔やみきれないこと。
そして、忘れること。
私が、大金を所持したのは、今回一緒に来た、二人に、何か、問題があった時のことを、考えてである。
例えば、食中毒などで、病院に、ということになれば・・・と、考えたのである。
お金さえ、用意していれば、何とかなるという、思いである。
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