木村天山旅日記 

  チェンマイへ

  平成21年10月 

 

第10話

パタヤは、チェンマイに比べて、暑い。

毎日が、真夏日である。

朝夕も、暑い。

だから、無理しない。

ゆっくりと、過ごすことにする。

最初のホテルで、三泊して、あまり行動はしなかった。

ただ、マッサージを受けて、休息する。

それでも、ホテルの部屋からは、よく出掛けた。

買い物である。

水を買う。時には、屋台で、昼ごはんを用意する。

私は、朝が早いので、パタヤの朝の顔を見る。

夜は、九時以降は、出掛けない。

パタヤは、丸一日、眠らない街である。

だらだらと、書く必要が無いので、特徴的なことを書く。

いつもと、違う、マッサージ店に出掛けてみる。

随分と、いかつい、女がついた。

骨格が、しっかりしていて、声も太い。

顔は、蟹さんのようである。

途中から、カトゥアイであると、知る。つまり、レディボーイである。

最初は、期待した。

しかし、そのマッサージは、手抜きである。

フットマッサージを頼んだが、ただ、撫でるだけ。

ストロング、オッケーと言うが、その時だけ、少し強くするが、また、撫でるだけ。

何度か、言ったが、諦めた。

しかし、その、マッサージ嬢は、次は、タイマッサージか、オイルマッサージをと、勧める。

そうだねーーーと、交わしているが、実に、しつこいのである。

こんな、手抜きのマッサージをされたんじゃあ、やる気は、起きない。

そして、極め付けが、オイルスペシャルマッサージの、お勧めである。

単に、射精マッサージである。

あのーーー、自分の顔を、見て、言って欲しいと、思うが、そこまでは、言えない。

彼、いや、彼女は、バンコクで、三年間、マッサージをしていたと言う。

しかし、マネーが少なくて、パタヤに来たという。

出身は、パタヤのすぐ近くの村だそうだ。

この、マッサージなら、チップも、出したくない。

ところが、料金を払う段になると、チップを要求した。

これは、本当に図々しい。

パタヤのマッサージ店では、チップを要求されることは、無い。

勿論、私は、二度と、行かなかった。

いつも、出掛けていたマッサージに、行ったが、いつもの嬢は、お出掛けだった。アユタヤに行ったというから、お客に、買われて、着いて行ったのだろう。それは、それで、良かった。金になる。

であるから、私は、新しいマッサージの店を探した。

パタヤには、タイ全土から、マッサージ嬢が、集う。

兎に角、少し歩けば、マッサージ店がある。

そして、やって貰わなければ、分からない。

賭けのように、マッサージにかかることになる。

料金は、安くて、タイマッサージ一時間、100バーツから、ある。

300円からあるのだ。

スタッフと、出掛けたマッサージ店では、一時間、150バーツ、450円である。

私には、若い女がついた。

期待しなかった。

ところが、技は、雑なのだが、力がある。

スタッフと、並んでマッサージを受けた。

スタッフの方は、年上であるが、手のひらが、冷たくて、体が冷えると言った。

私の方は、思わぬ、掘り出し物だった。

気に入った。

後で、オイルマッサージをすることにして、戻った。

手抜きされるより、雑でも力のある方が、よい。

翌日も、その子のマッサージを受けた。

四度目に、行った時、その子が、他のお客についていた。

すると、私の手を取り、私が、代わりにするという、嬢が、出て来た。

何と、その子の、姉だった。

姉妹で、同じマッサージ店で、働いているのだ。

二人は、パタヤの出身である。

姉の方も、まずまず、上手だった。

テキパキとした、マッサージである。

一時間を、無駄なく、使う。

中には、おしゃべりして、手を止める者もいるが、話をしても、手は、止めないのである。

私は、尋ねた、オイルマッサージでは、スペシャルをするのか、と。

すると、ああ、するよ、500バーツでね、と、こともなげに言う。

相場は、500バーツだった。

どこも、そうだと、言う。

ああ、だから、ノーセックスと、看板に書く所もあるのだ。

そういうことか・・・

それをする、マッサージは、マッサージパーラーと、呼ぶが、どこでも、お金を払えば、やるのである。